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松川 義孝*; 鹿窪 勇太*; 野沢 康子*; 外山 健*; 永井 康介*; 武内 伴照; 山口 義仁; 勝山 仁哉; 西山 裕孝
no journal, ,
軽水炉圧力容器の防食のために内面に施される/ 2相ステンレス肉盛溶接鋼は、熱時効環境下で複雑な相変態を起こすことが知られている。アトムプローブ分析を行った結果、673Kで2000時間の熱時効によって、フェライト相において/'スピノーダル分解とナノメートルサイズのNi-Mn-Siクラスタの形成がともに生じることが明らかとなった。3次元原子マップで観察されたNi-Mn-Siクラスタは、一般に2相ステンレスで観察される金属間化合物のG相である可能性が高い。しかし、アトムプローブでは結晶学的な情報が欠落しているため、クラスタがG相であり固有の超格子構造を持ったものなのか、単に溶質原子が集積したものなのかは判別できない。本研究では、クラスタにおけるG相の割合を決定するためNi-Mn-Siクラスタを透過型電子顕微鏡で分析した。その結果、アトムプローブで可視化されたクラスタの0.07%がG相で、残りの99.93%が溶質原子クラスタであることが示唆された。
鹿窪 勇太*; 野沢 康子*; 松川 義孝*; 外山 健*; 永井 康介*; 亀田 純; 武内 伴照; 山口 義仁; 勝山 仁哉; 西山 裕孝; et al.
no journal, ,
軽水炉圧力容器内面には、耐食性を担保するために厚さ約5mmのステンレス・オーバーレイクラッド(以下、クラッドと呼ぶ)が施されている。クラッドは、10%程度のフェライトを含む2相ステンレス鋼であるが、熱時効や中性子照射によってフェライト相の微細な組織変化に起因する劣化が生じることが知られている。本研究では、クラッドのナノ組織変化と機械的性質の関係について明らかにすることを目的とし、3次元アトムプローブ(以下、3D-APと呼ぶ。)分析と超微小硬さ試験を行った。その結果、Crのスピノーダル分解は、100時間まで大きく増加したのち、緩やかに増加することがわかった。また、クラスターは、1000時間までほとんど形成されず、2000時間以降に多く形成されることがわかった。
佐野 佳祐*; 大野 直子*; 鵜飼 重治*; 林 重成*; 三浦 誠司*; 山下 真一郎; 井上 利彦
no journal, ,
高速増殖炉の燃料被覆管には第一候補としてODSフェライト鋼が位置づけられているが、その代替として実績のあるオーステナイト鋼の延長線上で耐照射性を改善した高Ni鋼が開発されている。本研究は高Ni鋼を対象として、強化析出物である"を粒内に微細に析出させる最適な時効熱処理条件を明らかにするため時効試験を行い、ビッカース硬さ測定及びTEM観察を実施した。試験の結果、時効温度が高く、時効時間が長くなると"が粗大化し硬さが低下することが認められた。また、650C程度の熱処理が最も"析出物が粒内に微細に析出することがわかった。
鈴土 知明; 都留 智仁; 山口 正剛
no journal, ,
シビアアクシデント時や核融合条件では構造材料が高温で照射にさらされ、粒界でバブルが発生し脆化が引き起こされる可能性がある。本研究では、粒界バブルの発生機構を明らかにするためその元となる粒界中のHe空孔クラスターについて経験ポテンシャルを用いた解析を行った。あらかじめさまざまな粒界を含んだ鉄結晶系を作成し、粒界に空孔及びHeを挿入しさまざまなサイズそしてHe空孔比のHe空孔クラスターを作り、それぞれのクラスターについてのそれらの形成エネルギーやクラスターと空孔やHe原子の結合エネルギーを求めた。粒界のクラスターの形成エネルギーが粒内のそれよりも有意に低くなった。また、平衡なHe空孔比が上昇する傾向があることがわかった。
阿部 陽介; 都留 智仁; 實川 資朗
no journal, ,
さまざまな照射条件下での構造材料の微細組織変化や特性変化を予測し、許容できる照射硬化量の指標を得るためには、微細組織変化において重要である自己格子間原子型(SIA)ループの数密度を精度よく予測できる数値モデルの構築が必須である。本研究では、生成バイアスモデルに基づくクラスターダイナミクスモデルに対して、侵入型不純物によるSIAループの捕捉効果を組み込むことにより、鉄中でのカスケード損傷下での微細組織変化に及ぼす不純物効果の評価を行った。その結果、不純物濃度の増加とともにSIAループの数密度は高くなるが、照射初期を除いて照射速度の効果はほとんど見られないことが示された。また、不純物効果を考慮しないモデルではSIAループの数密度の飽和傾向が再現されないのに対して、不純物効果を考慮したモデルではこれが再現可能であることが示された。さらに、SIAループの数密度やサイズ分布の不純物濃度依存性や、照射初期に見られる照射速度依存性についての詳細な解析を行った。
遠藤 成輝; 齋藤 寛之; 町田 晃彦; 片山 芳則
no journal, ,
本研究は、これまでおもに常圧近傍の水素化で研究されてきたTiFe合金を高温高圧下で水素化させ、その反応機構と構造変化を調べたものである。高温高圧水素化反応によって水素吸蔵量が増加する可能性を明らかにし、新規Ti系水素吸蔵合金を開発することを目的としている。本研究を行った結果、TiFe合金は高温高圧水素化反応により、水素固溶体相形成を経て立方晶構造を保持したまま、より高水素濃度の水素化物を形成することがわかった。水素吸蔵によって最大で約21%まで体積が膨張した。これは常圧近傍でフルに水素を吸蔵した相水素化物が示す体積膨張(18%)よりも大きな値であった。これにより高温高圧水素化反応によって水素量が向上することが示唆された。また高温高圧水素化反応によりTiFe合金は、BCCの規則相B2相から不規則相A2相へ相変態を生じることがわかった。これは水素雰囲気下でなければ生じず、本研究によってはじめて見いだされたものである。